家族を守る構造の安心と、毎日の暮らしを豊かにするデザイン。その両方を大切にするクレバリーホーム松江店の一級建築士、田中祥雄さんに、建築への歩みと住まいづくりへの思いを聞きました。
インテリアへの憧れから、建築の世界へ
大学では経済や流通を学んだ田中さん。以前から好きだったインテリアをきっかけに、家具を置く空間そのものをつくる仕事へ関心が向かいました。卒業後は建築の専門学校で学び、25歳で建築の仕事をスタート。県内外で経験を積み、住まいの設計に携わってきました。

家族を守る構造が、デザインの土台になる
2011年の東日本大震災は、住宅の構造を見つめ直す大きなきっかけになりました。家は、まず家族の命と暮らしを守る場所である。その思いから、構造への取り組みに共感したクレバリーホームの仕事に加わります。
田中さんにとって、構造とデザインは別々のものではありません。安心できる土台があるからこそ、空間のつながりや素材の選び方にも挑戦できる。造作家具や珪藻土などの素材、設備の選択も、家族に必要なものを考えながら提案しています。
言葉になる前の思いを、対話から見つける
お客様が最初から希望をすべて言葉にできるとは限りません。何が好きか、どう過ごしたいかを聞きながら、まだ形になっていない思いを汲み取ることも設計の役割だと考えています。
選択肢をたくさん並べるだけでは、かえって迷いを深めてしまうこともあります。例えば五つをそのまま渡すより、プロの視点で合うものを二つに絞って提案する。理由を伝え、選びやすくする姿勢を大切にしています。
いい面も、気になる面も伝える
提案するときは、メリットだけでなくデメリットも説明します。費用や手入れ、将来の使い方まで含めて考え、納得して選んでもらうこと。目の前の見た目だけではなく、住み始めてからの暮らしにも目を向けています。
田中さんの設計思想が表れた住まい
松江市玉湯町の住まいでは、階段の厚みや陰影、床の高さの変化まで考え、空間そのものを立体的に表現しました。日常の中で、見る角度によって印象が変わるような工夫です。


西川津町のモデルハウスでは、バルコニーの照明や素材に遊び心を取り入れ、家にいながらグランピングのように楽しめる場所を考えました。オーストリアの牧草を使った壁や天井など、素材を選ぶ面白さも表現されています。


幸町で紹介されたモデルハウスは、二、三段ずつの段差で八つの層がつながるスキップフロアが特徴。視線がつながりながら、それぞれの場所に違う居心地をつくっています。オレンジ色のキッチンも、暮らしの楽しさを感じさせる要素です。


広さだけでは測れない、これからの豊かさ
建築費や土地の条件によって、住まいをコンパクトに考える場面も増えています。だからこそ、面積を大きくすることだけでなく、どんな時間を過ごせるかを考えたいと田中さんは話します。
大きなリビングだけでなく、二畳ほどの小さな趣味室が、自分にとって大切な場所になるかもしれません。家族と過ごす場所と、一人で好きなことを楽しめる場所。素材や形の可能性を探り、その人らしい居場所をつくることが、暮らしの豊かさにつながります。



